我が家のクリスマスツリーには長年センターを務めているトナカイさんがいる。
彼が我が家にやって来たのは10年以上前、まだ幼かった息子が百貨店で見つけたガラスのトナカイさん。(正確に言えば彼の仲間。)
息子は普段、買物に連れて行ってもあまり物を欲しがる子ではなかったが、あの時は珍しくこのオーナメントに釘付けになっていたので、何か通じるものがあるのだと、また私もその美しい容姿が気に入り購入することにした。そして息子が手に取り、嬉しそうにレジに持って行き…手を滑らせ落として割ってしまった…。
[あの時フリーズした息子の姿が今でも忘れられない。]
それからクリスマスの奇跡は起きた。トナカイが再生したわけではない。レジのお姉さんが優しく「大丈夫ですよ」と。そして何のお咎めもなく代替品(我が家に今いるトナカイさん)を差し出してくれたのだ。
自分の失敗を優しく許されるという施しを受けた幼い息子。当時の彼は、商品を購入前に壊したらどうなるのかまるで考えがつかない状態と、気に入った物が自分の過失で壊れてしまった事で脳内パニックに陥っていたに違いない。そんな時の「大丈夫ですよ」は愛に満ち、彼の心を暖かく包んでくれた。
トナカイくんは犠牲になってしまったけれど、おかげで息子が学び成長した出来事になりました。それから何年経ってもその兄弟が今年も元気に鎮座し、我が家のクリスマスの思い出の一つになっています。あの時のお姉さんもどうか素敵なクリスマスを過ごされます様に。Amen。
それから何年後かに仲間を増やしました！ガラスはやめてアクリルの子達を。
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